Thursday, February 23, 2017

宇宙教室 in San Diego ~私たちの知らない宇宙~


2月のぽーと会は、カリフォルニア工科大学の宇宙物理学者・宮坂浩正さんをお迎えし、学習塾ピークとの共催で行いました

申し込み開始直後から大勢の方がご連絡をくださり、セミナー開催の数日前には満員御礼のため申し込みを終了させて頂くという、大変ありがたい非常事態が発生しました。今回参加して頂けなかった皆さまには、本当に申し訳ありませんでした。

さてセミナーでは、①知っているようで知らない宇宙の大きさの話 ②宇宙研究の最新事情「宇宙は何で出来ているの?」「地球外生命体はいるの?」など ③宇宙物理学者というお仕事、どうすれば宇宙物理学者になれるのか・・・等について、ふんだんなスライドを用いて分かりやすく解説して頂きました。

宇宙は、今まで私たちが想像していたよりも、遥かに、とてつもなく大きく、「私たちの太陽系を含む天の川銀河も2千億から2兆個あると言われている銀河の中のひとつに過ぎないこと」「その銀河それぞれに1000億以上の恒星が存在していること」や、「遠くの宇宙を観測することは、すなわち過去を観測することであるが、宇宙研究は未来の地球のためでもあること」、また「人体はじめ有機物質を構成する元素、たとえば炭素(C)などは宇宙の星の輝きが起源であること」等々、とても挙げ切ることが出来ないほど、沢山のことを学びました。 

神秘に満ちた宇宙を実感し、会場からは時おり溜息や歓声が漏れました。

宮坂さんは「謎や分からないことがいっぱいだからこそ、ワクワクでいっぱいなのです」と仰っていました。

また、「私たちは宇宙から何を学べるのか?」という宮坂さんの投げかけと、それに対する「人間とは何者なのかが学べる」というご本人の答えが印象的でした。



講演の最後に、ALSamyotrophic lateral sclerosis / 筋萎縮性側索硬化症)という難病と闘った息子さんHajimeくんのこと、ご家族の6年半の軌跡についてもお話してくださいました。

宮坂さんが公の場で息子さんのことをお話しされるのは、昨年の10月にHajimeくんが旅立たれてから初めてのことでした。サンディエゴの私たちは、ご縁があって本セミナーで聞かせて頂くことができました。

何度も生命の危機を乗り越えたその度に、笑顔を絶やさず、家族の皆を励ましてくれていたのはHajimeくんの方だったこと。Come walk with Me to See What’s Beyond the HorizonというHajimeくんの言葉に込められた、「地平線の向こうに何があるか見えなくても(上手くいくかどうか分かっていなくても)とにかく最初の一歩を踏み出そう」という彼の姿勢、それを全うした彼の生き様を、多くの人に知ってほしいというお父様、宮坂さんの言葉に、会場は涙をこらえることが出来ませんでした。

参加してくださった方々の声もご紹介させて頂きます。
・宇宙も、人が生きていることも、神秘なのだと思った。
・宇宙のことについて益々知りたくなった。これからも最新情報が聞きたい。
・子供が宇宙物理学に興味があるので参加しました。SDでこのような素晴らしいお話を聞かせて頂き有り難かったです。
・私にも息子がいるので、生き様を貫かれたHajimeくんのお話が胸に迫った。
・サンディエゴで初めてお話くださった宮坂さんご家族の、これが最初の一歩になればと願っています。
・今後の宇宙研究の発展と、ALSをもっと広く理解してもらえるよう、ご活躍をお祈りしています。

ところで、参加者の中にかつて持病をお持ちだった小学生がいました。このお子さんは宮坂さんのセミナーが終わるとすぐ、「ママ、僕も何かしたい、役に立ちたい!」と言ったそうです。現地校に働きかけてプログラムを立ち上げDonationaにつなげたいと、具体的に考えたのだそうです。

宮坂さんの講演を聞いて、子供の心の深いところから湧き上がった共感や感動によって、何かが生まれた瞬間でした。

・・・参加者の年齢を超えて、魂が揺さぶられるようなセミナーでした。 宮坂さん、一緒にパサデナから来てくださったご家族のみなさん、そして見守ってくれていたであろうHajimeくん、本当に、本当に、ありがとうございました。

なお、本セミナーの収益は、アメリカでの高額な医療費を支えるためのHajime's ALS 基金に寄付させて頂きました。
参加してくださった皆々様に心より感謝申し上げます。