5月のぽーと会は、約1年ぶりに中高生を対象とした「お仕事シリーズ」を開催しました。
第3回の今回は「Pharmacist への道」と題して、サンディエゴ内の薬局でマネージャーとしても活躍する若手日本人Pharmacistの高橋さんをお招きしました。
「Pharmacistの仕事とは」「マネージャーの責務とは」など、高橋さんが日ごろ行っている業務内容に始まって、「ハイスクール時代」「UCSD時代」「1年の準備期間を経て進学したPharmacy School時代」のことなどを時間の経過に沿ってシェアしてくださいました。
高橋さんのスピーチの中には、中学生、高校生が日ごろ疑問に思うことへの答えがいっぱい詰まっていました。
「高校では確固たる進路が決まっていなくても大丈夫。General Ideaや大まかな方向性があれば良い」「APを沢山取らなくてはというプレッシャーに潰されず、得意なこと、好きなことに関係する科目を出来る範囲で取ればいい。苦労はしても必ず後で役に立つ」「有名大学へ進むことだけを考えずに、Under Graduateで良いパフォーマンスをして次(仕事や大学院)につながる競争力を身に着けること」「周りの人を優秀に感じて自信を無くす時があるかもしれないけれど、惑わされることはない。自分を知って自分のペースで頑張っていけば良い」「Long RunなのだからDon't Burn out」等という、勇気づけられるアドバイスがいっぱいでした。
大学時代は、大学に行った目的を常に忘れずにいながら「新しい人たちと沢山出会い、自分と違うタイプの人たちとの交わり方を知ること」「自分を知って、個性を磨くこと」というアドバイスをしてくれました。
高橋さん自身は、大学ではPre-Pharmacy Societyに入部し、同じ道に進もうとしている仲間たちと情報交換をしたり、現役Pharmacistの経験談を聞いたりできる環境に身を置いたそうです。なんと在学中からPharmacy Technicianのライセンスを取って、Hospital PharmacyとRetail Pharmacyの両方でボランティアもされました。
大学卒業後のPharmacy Schoolアプライ準備期間にはコミュニティカレッジでクラスを取りながらバイオ系の企業でもボランティアをしたりと、着々と知識を深め力をつけていったそうです。
念願のPharmacy School入学後(Western University College of Pharmacy)は、カリフォルニア内のPharmacy School数が近年増加して都市部でのPharmacistの就職も競争率を増してきたことから、ハードな勉強をこなしながら毎週LA郡のアパートからSD郡のRetail Pharmacy までインターンとして通ったそうです。そうした努力が実り、National ExamとCalifornia 州Law Examに合格後は直ぐにインターン先で就職が出来たとのこと。・・・それらの道のりの至る所に、常に自分のゴールに向かって戦略を立て、「今できることは何か」と工夫をこらしていた高橋さんの姿がありました。
また、高橋さんの座右の銘は「Don't Burn Any Bridges」という言葉だそうです。どんなチャンスや可能性があるか分からない、だから人を大切にし、築いたネットワークを壊すなという意味とのこと。くしくもUCSDでもPharmacy Schoolでも教授陣から繰り返し言われた言葉なのだそうです。
この日、参加してくださった高校生の方たちは、「将来を考えるために来た」「勉強になった」「大変そうな道のりだけど、とにかく今やれる目の前のことをやるしかないと思った」という言葉を残して帰られました。
・・・最後に、長い道のりを経てPharmacistとなった高橋さんは今、患者さんのために働けることに幸せを感じているそうです。 ドクターやナースと共にMedical Teamの一員として働けることに誇りを感じているとのこと。
高橋さんのように日本語も英語も堪能で、ややこしいアメリカの保険制度や薬について日本語で説明してくださるPharmacistがいることは、私たち日本人にとって非常に大きな安心です。
どうぞこれからも大いに活躍し、沢山の患者さんの支えとなってくださいね。 滅多にない日曜オフの日にスピーカーを引き受けてくださり、心からありがとうございました!
本日の収益はSDJEN(San Diego Japanese Emergency Network)を通して熊本の震災義援金として寄付させていただきました。参加してくださった皆さんも、本当にありがとうございました!