3月のぽーと会は、初めてのWebinar形式で「コロナ禍の子どものストレス 〜いま私たちにできること〜」を開催しました。
スピーカーには長沼仁美さん(心理学博士・公衆衛生学修士・*JPSグループ共同代表)を、ファシリテーターに渡邊理佐子さん(教育学修士・行政学修士・*JPSグループ共同代表)という2人のゲストをお迎えしました。
新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、わたし達は昨年の春ごろから長い自粛生活を送ってきました。このことにより、大人だけでなく子どもたちや若年層にも少なからぬストレスが溜まっていると言われています。
そんな背景を踏まえ、パート1「子どもたちはどんなストレスを抱えている?」では、パンデミック後の最新研究動向から「若年層の孤独感」「子どものうつ症状」「保護者のうつ症状」「女性の自殺率」について、信頼できる情報源のデータをご紹介くださいました。
パート2「いま私たちにできること 〜大人のストレスケア〜」では、大人もストレスを抱える中、子どもが抱えているストレスに気づきにくくなっている可能性があり、「まずは大人が自分のケアをすることの大切さ・セルフケアの方法」「ストレスの捉え方を変えること」など、貴重なアドバイスをいただきました。
パート3「いま私たちにできること 〜子どものストレスケア〜」のコーナーでは、「子どもはどんな形でSOSを出すものなのか」「子どものストレスに気づいたら親として何ができるのか」を教えていただきました。子どもの成長に応じたケアが必要というお話の中では、「気持ちを尊重すること」「話の聞き方・話し方を工夫することで親子のコミュニケーションが取りやすくなる」等もあり、親として今すぐにでも心がけられることが色々とあることに気づかされました。
また、このセミナーが開催されたのは、アメリカではちょうど公立学校でも対面授業が少しづつ再開される時期でしたので、登校を目前に控えて「準備すること・心がけておくこと・子どもと話すこと」などを心に留めることができ、とても有り難いタイミングでした。
Q&Aコーナーでは、お子さんの悩みや対処法に関する多くの質問が寄せられました。お子さんの年齢や個性、各ご家庭の状況など様々な目に見えないバックグラウンドがあるため「正解はコレです」とは一概に言えないご質問が多い中、長沼さんが私たちに最も伝えたかったことは、「お子さんとの信頼関係を築くことの大切さ」と「信じ続ける心がお子さんに伝わる」ということでした。
私たちは兎角「どうすれば状況が良くなるか」という方法論を考えがちで、勿論それは非常に重要なことでもありますが、長沼さんがおっしゃる「子どもを信じる」「信じる心が子どもに伝わる」「親子の信頼関係が築かれる」という、子育てで「最も」と言っても過言ではない大切なことを胸に刻みました。
・・・皆さんがアンケート等を通じてシェアしてくださったご感想の一部をご紹介します。「親子のあり方や子どもとの接し方の大切さを改めて知り、とてもタイムリーで有意義な会でした」「スライドの内容が充実していて1つ1つとても勉強になりました!」「やはり”I“ステートメントで話すようにしようと思います。先輩お母さん方の経験談は本当に参考になります」「ストレスはいけないと思い込んでいたけれど、科学的にも前向きな作用もあると知って発想の転換になりました」「無料で相談できる専門家のリストをご紹介いただき、安心感を覚えました」・・・など。