Tuesday, October 5, 2021

「Mathが教えてくれたこと ~日米文化と個人としてのアイデンティティ~」

 9月のぽーと会は、サンディエゴの公立高校で9年生から12年生まで全学年の生徒さんたちにMathとComputer Scienceを教えておられる、エリナ先生をお迎えしました。


この日の会は、以下の2部形式でお話を伺いました。

1)Mathは面白い

  ・Mathに必要な力とは?

  ・日米文化の違い

2)Math Identityとは

  ・Growth Mind Set

       Social Emotional Learning

       Self-Efficacy (自己効力感)


また、ややもすると生徒たちの集中力を維持することが非常に難しいオンライン授業に於いて、エリナ先生が生徒たちとのコミュニケーション・ツールとして使っておられたKahootJamboardを、私たち参加者にも体験させて頂きました。 


お申し込みくださった皆さんは、「お子さんが現地校のMathでどんな教育を受けているのか」「日米のMathはどう違うのか」、あるいは「Mathに対して苦手意識が出始めたお子さんをどのようにサポートしたら良いのか」、「子供たちがどのようにしてMathを通して自信を得たり失ったりしていくのか」についてご興味がある方々で、アメリカ各地だけでなく日本からもご参加くださいました。


ご質問も事前に多く集まっていました。その大部分は、お子さんのMathの向上を願い、何か家庭でサポート出来ることはないだろうかという、お母さんたちの想いが詰まったご質問でした。


エリナ先生が、皆さんからのこうしたご質問への回答や、作成してくださったスライドを通して、この会で私たちに伝えてくださったことの一部を挙げるとすると、

・「何が問題かを自分で見極める力」「どうしてだろう?と疑問を持つ力」「情報を整理する力」「自分が考えていることを言葉や文字で表現する力」が総合的に必要

・自分は一体何を知っていて何を知らないのか、自分を客観的に見ること

・アメリカのMathの教室では、1人で解くことよりも「他人と一緒に作業する」チームワークも要求される

・親子間では子供にMathを「教える」のではなく「一緒に考える」というスタンスで

・「自分はやればできるのだ」という自己効力感を持っているかどうかが、とても大切

・全てに通ずる読解力・言語能力を磨くこと


・・・などなど、沢山の子育てのヒント、子どものMathサポートの手がかりを頂くことができました。



筆者はお話を伺って、「Mathの問題を解く力」は、一人一人が持つ様々な人間力とも通じるものがあるのかもしれないと感じました。また、「Mathの点数が良い」ということは、「Mathが得意」ということのホンの一部の要素なのかもしれません。


・・・エリナさんが此れまで温かい眼差しで生徒たちに向き合い、必要なサポート・言葉かけをして彼らの成長を見守ってこられたご経験と、修士課程での「Math Identity」の研究などを通して、「Mathとは何ぞや」「Mathが子どもの成長やアイデンティティに与える影響」についての深い洞察を、私たちにたっぷりと伝えてくださった、とても貴重で有意義な2時間でした。


エリナ先生には、現地校の授業を幾つも受け持たれている激務の日々にも関わらず、本セミナーのスピーカーをお引き受けくださり、心からの感謝でいっぱいです。


これからも大勢の方たちにMathの楽しさ・奥深さを伝え、生徒さんたちのMathの向上と成長のためのサポートなど、益々のご活躍をお祈りしております!


参加してくださった皆さま、質問をお寄せくださった皆さまも、本当にありがとうございました!


*エリナ先生が主宰するブログ 

Nadeshiko Way (https://innadeshikoway.com/)