Saturday, September 17, 2016

牧 兼充さん                「僕が学生のころに知っておきたかったこと」

828日(日)、牧 兼充さん(政策研究大学院大学助教授、UCSDビジネススクール客員助教授)をお迎えし、夢のようなセミナーが実現しました。

1部「世界一受けたい授業in San Diego ~アントレプレナーシップ(起業家精神)って何だろう?~」(ネーミングを人気TV番組よりお借りいたしました)では、牧さんが日米の大学で行ってこられた授業を一部公開してくださいました。 99年の名映画「October Sky」を用いて、牧さんが投げかけ、引き出し、皆さんから積極的に手が挙がり、意見が次々と飛び交いました。映画は、様々な壁にぶつかりながらも夢を持ち続け、工夫に工夫を重ねて目標に向かっていく若者の「軌跡」と「奇跡」を描いたものですが、彼を取り巻く「情熱を分かち合える仲間たち」、葛藤しつつも深いところではお互いを理解しようとしている家族愛、随所でアドバイスや閃きを与え応援してくれる「良きメンターの存在」・・・・など、アントレプレナーにとって非常に大切な要素が沢山含まれていることも教わりました。 

2部「グローバルキャリアのすすめ ~日本とアメリカでの両方の経験を生かす~」では、牧さんの自伝的な部分も含め、アントレプレナーシップ、イノベーションに関する教育、新しいプログラムの立ち上げ等々、これまで取り組んでこられたこと、ご経験や知見についてお話してくださいました。「ネットワークの重要性」「何もしないことのリスク」「清水の舞台を飛び降りることは、ほんの最初の一歩」「国に依存しないキャリアを築く」等々、目の覚めるようなアイデアを沢山いただきました。 牧さんが常に新しいことに飛び込んで、道を切り拓いていける原動力がどこにあるのか、そして牧さんの生き方そのものがアントレプレナーなのだということも実感しました。

また、アメリカで暮らしながら子供たちが英語と日本語の両方を学び続けることは決して簡単なことではありませんが、牧さんは「社会に出たら、それまでやってきたことの総和が問われ、発揮できるようになるので、今やっていることは必ず報われます。頑張って欲しい」という、力強い応援メッセージを送ってくださいました。

・・・・・セミナーが終了して会場のライブラリーが閉館したあとも、名残惜しくて皆さんなかなか帰宅できず、青空のもとで牧さんを囲み、いつまでも話が尽きることはありませんでした。

最後に、皆さんから後日いただいた感想の一部をご紹介します。

学生さんから:「将来、アメリカで働こうか日本で働こうか、大学はどうしようかと悩んでいたところ、先生のお話が聞けてよかった。アメリカと日本での就職活動の違いや、キャリアの実際の意味を知る事が出来た。自分のやりたいことと、能力のあることをみつけて、将来何が出来るのか日本、アメリカに限らず世界で探していこうと思った。」「私はあまり起業することを考えた事が無かったので、今回のセミナーで、起業家を育成するプロセスや、アントレプレナーについての詳しい定義を知ることで、今まで触れたことのない知識を得ることができ、大変参考になった。また、プレゼンテーションの仕方がとても工夫されていて、参加者が積極的に参加でき、飽きさせないところが大人だけでなく学生にも配慮されていると感じた。」

働く女性から:「転職のオファーをもらったが、漠然と「何か違う」という気がしていた。その理由が牧さんのお話しを聞いてハッキリした。自分の目指していることに繋がるのかどうか、ネットワークを広げていけるのかどうか、モヤモヤしていたのはソレだった。自分を信じてみようと思う。」「大変興味深いセミナーだった。毎日同じ職場で、会う顔ぶれも代り映えのしない日々を送っている自分には、牧さんのような一般的な常識にとらわれず、新しいことにチャレンジし続けるバイタリティーとユニークさは新鮮だった。」

お母さんから:「牧先生のお話が非常に興味深かったのみならず、自分の子供の年齢の人から年上らしき方まで、色々な方々の話を聞けたのが、とても良かった。“やりたいことを見つけるより、やりたいことが見つかりそうな場”という言葉にハッとした。やりたいことは見つからないし、今までやりたいと思ったことがサンディエゴでは出来なくて諦めたことも多かったので、面白そうなことが見つかりそうな場にどんどん顔を突っ込んで行くことにしようと思う。」「家族それぞれに学ばせていただいた。アントレプレナーシップというテーマだったのでもっと固い、難しい、ビジネスよりの話だと思っていたけれど、息子にも十分楽しめ、理解しやすくてとても良かった。私個人は、母としてのサポートのあり方という意味でもたくさんのヒントをもらった。」いつかは起業してみたいという気持ちがあるが、タイミングは今ではない。でも、牧さんのセミナーで学んだ”生き方としてのアントレプレナー” ”アントレプレナーの視点を持って生きる、仕事をする” ことを今から意識的に取り入れ、自分を磨いていきたい。」

・・・UCSDでのサマークラスや、その他のプログラムで寝る間もないようなスケジュールの中を、日米2つのバックグラウンドを持つ若い方たちをはじめ、私たち大人にも大きな応援のメッセージを送ってくださいましたこと、心から御礼申し上げます。

牧さんをぽーと会に紹介してくださったKさんにも、感謝の気持ちでいっぱいです。


本セミナーに参加してくださった14歳から60歳以上までという幅広い年齢層の皆さんも、本当にありがとうございました。