Tuesday, November 16, 2021

ぽーとカフェ 〜題名のないぽーと会〜2021

 11月のぽーと会は、「ぽーとカフェ 〜題名のないぽーと会〜」Zoom形式で行われました。 
いつものぽーと会セミナーとは違い、スピーカーさんをお招きせずに、参加者自身が主に「共育」「進学」「キャリア」についての 疑問やお悩みなど、ご自宅でお茶を飲みながらお話をする会でした 
 
対面での新学年がスタートして2、3か月ほど経過した今、他の親御さん方と様々な質問を共有し、 経験談やアイデアを交換する有意義な時間となりました。 
 
まずは、参加者皆さんの簡単な自己紹介(お名前やお子さんの年齢など)から始まり、 
 
質問とシェアコーナーでは、 
皆さんが事前にお寄せくださった以下のご質問を元に、ご経験やアイデアを伺いました。 
  1)日本の文化とアメリカの文化の混在のなかで成長する
    子供について皆さんが心がけていることやモットー 
  2)大学進学について 
  3)思春期の乗り切り方の秘訣 
  4)大学生になってからの親のサポートはどの辺までがい
    いのか 
  5)空の巣症候群の乗り越え方 



アメリカで生活する中で、ぶち当たる日米の考え方の違いについて、子供達にどう指導して行けば良いのか、 ぽーと会に10年参加している先輩お母様や、大学にお子さんを送り出して一息ついているお母様からのご助言がありました。 

また、思春期反抗期には、第三者やメンター、コーチ、コミュニティに依存してみることも一案など、それぞれの質問に対して経験をシェアして頂き、一人では思いつかなかった対処法など様々な経験談から学ぶことができました。 


他には、子育てが一段落して新たなキャリアを築いている方もいらっしゃったり、まずは自分の好きなことをリストしてみるなど、 今まで子育てに時間を費やしてきたお母様方の今後の時間の過ごし方についてもシェアして頂きました。 


他の参加者の方からは、「新しい参加者さんと常連の参加者さんが、どちらも安心して参加できる環境を作ってくださりありがとうございます」「やはり皆さんの顔を見て、全員が声を出せる会は良いですね」「コロナ禍でオンライン化が進んだおかげで、他地域の方々もいらっしゃり、また繋がりも一層広がり、楽しかったです」 などの感想を頂きました。


・・・アメリカで子育てをしていく中で尽きない迷いや不安はありますが、誰もが通ってきた道であり、 皆さんに経験談などシェアして頂いたり共感して頂くことで、気持ちが楽になることがあります。 今回のぽーとカフェは、まさに温かく楽しく意見交換ができ、大変有意義な時間となりました。 


参加して下さった皆さま、ありがとうございました。 

 

 

Written by J


Tuesday, October 5, 2021

「Mathが教えてくれたこと ~日米文化と個人としてのアイデンティティ~」

 9月のぽーと会は、サンディエゴの公立高校で9年生から12年生まで全学年の生徒さんたちにMathとComputer Scienceを教えておられる、エリナ先生をお迎えしました。


この日の会は、以下の2部形式でお話を伺いました。

1)Mathは面白い

  ・Mathに必要な力とは?

  ・日米文化の違い

2)Math Identityとは

  ・Growth Mind Set

       Social Emotional Learning

       Self-Efficacy (自己効力感)


また、ややもすると生徒たちの集中力を維持することが非常に難しいオンライン授業に於いて、エリナ先生が生徒たちとのコミュニケーション・ツールとして使っておられたKahootJamboardを、私たち参加者にも体験させて頂きました。 


お申し込みくださった皆さんは、「お子さんが現地校のMathでどんな教育を受けているのか」「日米のMathはどう違うのか」、あるいは「Mathに対して苦手意識が出始めたお子さんをどのようにサポートしたら良いのか」、「子供たちがどのようにしてMathを通して自信を得たり失ったりしていくのか」についてご興味がある方々で、アメリカ各地だけでなく日本からもご参加くださいました。


ご質問も事前に多く集まっていました。その大部分は、お子さんのMathの向上を願い、何か家庭でサポート出来ることはないだろうかという、お母さんたちの想いが詰まったご質問でした。


エリナ先生が、皆さんからのこうしたご質問への回答や、作成してくださったスライドを通して、この会で私たちに伝えてくださったことの一部を挙げるとすると、

・「何が問題かを自分で見極める力」「どうしてだろう?と疑問を持つ力」「情報を整理する力」「自分が考えていることを言葉や文字で表現する力」が総合的に必要

・自分は一体何を知っていて何を知らないのか、自分を客観的に見ること

・アメリカのMathの教室では、1人で解くことよりも「他人と一緒に作業する」チームワークも要求される

・親子間では子供にMathを「教える」のではなく「一緒に考える」というスタンスで

・「自分はやればできるのだ」という自己効力感を持っているかどうかが、とても大切

・全てに通ずる読解力・言語能力を磨くこと


・・・などなど、沢山の子育てのヒント、子どものMathサポートの手がかりを頂くことができました。



筆者はお話を伺って、「Mathの問題を解く力」は、一人一人が持つ様々な人間力とも通じるものがあるのかもしれないと感じました。また、「Mathの点数が良い」ということは、「Mathが得意」ということのホンの一部の要素なのかもしれません。


・・・エリナさんが此れまで温かい眼差しで生徒たちに向き合い、必要なサポート・言葉かけをして彼らの成長を見守ってこられたご経験と、修士課程での「Math Identity」の研究などを通して、「Mathとは何ぞや」「Mathが子どもの成長やアイデンティティに与える影響」についての深い洞察を、私たちにたっぷりと伝えてくださった、とても貴重で有意義な2時間でした。


エリナ先生には、現地校の授業を幾つも受け持たれている激務の日々にも関わらず、本セミナーのスピーカーをお引き受けくださり、心からの感謝でいっぱいです。


これからも大勢の方たちにMathの楽しさ・奥深さを伝え、生徒さんたちのMathの向上と成長のためのサポートなど、益々のご活躍をお祈りしております!


参加してくださった皆さま、質問をお寄せくださった皆さまも、本当にありがとうございました!


*エリナ先生が主宰するブログ 

Nadeshiko Way (https://innadeshikoway.com/)




Saturday, August 28, 2021

お帰りなさい、先輩! 2021

8月のぽーと会は、現役中高生とその親御さんを対象とした「お帰りなさい、先輩!」をZOOMで行いました。

 社会人・大学生の先輩スピーカー3人に加えて、大学院を卒業したばかりの先輩をファシリテーターにお迎えしました。

 ・Textiles and Clothing(emphasis on Design and Marketing)で公立大学を卒業後、日系企業にお勤めのSさん 
・Animal ScienceのMajorで公立大学を卒業、秋からVet Schoolへの進学が決まっているKさん 
・現在、私立大学のFilm and TV production メジャーに在学中のTさん 
・Higher Education Leadershipのmaster's degreeを修了し、Educational Consultantとして活動するAさん 

 ・・・このように、4人の先輩方は出身校、メイジャー、これまで携わってきた多種多様なアクティビティや、将来の夢などにおいて、四人四様の皆さんでした。

 また、この会は事前に参加者の皆さんから寄せられていた質問を元に、先輩方のお話を伺っていきました。 

 High School時代のこと(Extracurricular Activity、カレッジアプリケーション、「いわゆる失敗」と自分で思う経験)、大学時代のこと(それぞれのメジャーでどんなクラスを取っていくのか、お気に入りのクラスとそのクラスを通して知った学ぶことの楽しさ)、また「日本のバックグラウンドを持つことが自身にどんな影響を与えたか」「これまでの日本語学習と日本・日本語・日本文化への思い」「タイムマネージメント」「日米文化における社交の違い」など、多義にわたる内容を、Aさんのファシリテートにより英語でお話していただきました。

 ・・・これらのお話は、けして単なるQ&Aではなく、皆さんの言葉の行間に「生き様」や「哲学」が垣間見えるものでした。

 周囲に惑わされずに、もちろん惑わされる時もあったとしても、どれほど自分の心の声を大切に「Who you are」を生きてきたかということが伝わってきました。 

 「アクティビティは数ではない」「兎に角やりたいことをやってみることで自分がわかる」「失敗はLearning opportunityであること」・・・などなど、日米2つの文化・2つの言語を持って頑張ってこられた先輩方から滲み出るMind Setは、どこまでもポジティブでした。

 また、このように堂々と自分の経験や考えを表現することが出来る若者たちに、胸が熱くなった親御さん方も少なく無かったはずです。

ファシリテーターのAさんを含め、スピーカーのSさん、Kさん、Tさんは、高校生かもっと小さい時から何らかの形で ぽーと会に関わってくださってきたか、存じ上げている方たちでした。

長い時を経て、社会人、大学生になり、こうしてスピーカーとして戻ってきてくださったこと、本当に有り難いことでした。 

 今後も、この日の参加者のどなたかが将来のスピーカーとして戻ってきてくださることがあれば、こんな嬉しいことはありません。 

 4人の先輩方、お忙しい夏のスケジュールの中、本当にありがとうございました!

 参加してくださった皆さん、そして、「未来が楽しみになった」「これからの高校・大学生活の参考になった」「参加してよかった」などなど感想をお寄せくださった皆さんもありがとうございました!

Sunday, May 30, 2021

子どもと話そう お金のこと

 5月のZOOMぽーと会セミナーは、スピーカーにSmart & Responsible主宰の岩崎淳子さんをお迎えし、「子どもと話そう お金のこと」を開催しました。 

 消費を促す仕組みや誘惑の多い現代社会の中で、子どもたちがFinancial Literacyお金に関する知識と考え方が身についていて、適切な決定や行動ができる能力)を身につける基礎を体得するため、親はどんなサポートができるのだろう・・・と考えたことがある親御さんは多いことと思います。ぽーと会もずっとそんな思いを温めてきました。 

 

そしてCPA/PFS(パーソナル・ファイナンシャル・スペシャリスト)であり、二人のお子さんのお母さんでもある岩崎さんご自身も、「子どもたちがお金と健全な関係を持って生きられるように、子どもたちにお金の話を」という思いを長年お持ちだったそうです。 

 

この日は、そんな思いが集まって実現したセミナーになりました。 

 

岩崎さん曰く、お金に関するアクションには「稼ぐ」「使う」「貯める」「増やす」「守る」などがありますが、子どもたちが最初に体験するのは殆どが「使う」なのではないかとのこと。 

 

そこでセミナーでは、お金を「使う」ことを中心に据え、子どもに教えたい3つの柱として、 

・ショッピング  

・バジェット 

・クレジット 

についてお話を伺いました。 

 

「ショッピング」編では、本当に必要なものを買うためのマインドセット、価格の価値を見極めることの重要性についてお伺いし、またその為のツールをご紹介いただきました。 

 

「バジェット」編では、お子さんが高校生の時に岩崎さんご自身が一緒におこなったバジェットの建て方やそのフォローアップの仕方、最終的な収支など、実体験に基づいた方法をご紹介くださいました。 

 

「クレジット」編では、クレジットそのものの持つ意味、暮らしに及ぼす影響、自分のクレジットを守る方法などなど、兎角クレジットカードという言葉が一人歩きしてしまっている時代ですが、クレットカードとの付き合い方だけでなく、元来「クレジット」が持つ意味も私たちに再認識させてくださいました。


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参加してくださった方々のご感想をごく一部ご紹介します。


子どもに“これは伝えておこう!“というポイントを色々と掴むことができました」「高校生だけでなく大学生の子供にも役に立つ内容でとても勉強になりました」「いつも岩崎さんのサイトで勉強させて頂くことも多く、今日は画面越しですが実際にお会いできて嬉しかったです」等々。 

 

・・・岩崎さんが渡米後に「最初は家族の生活を守るため腹を括ってファイナンスの勉強を重ねた苦労」のご経験からやがて「皆さんのお役に立ちたいという思い」でプロフェッショナルとしてお仕事をされるようになった経緯も伺い、ご自身のファイナンス・ブログでいつも「私たちが必要としているトピック」を取り上げておられることや内容の分かりやすさ、前述のご感想にもあるように岩崎さんのブログの愛読者が大勢いらっしゃることは、ご自身の道のりゆえであることに感銘を受け、いっそう有り難い思いでいっぱいです。 

 

アメリカで暮らすこと、子育てすることが時にチャレンジな私たち日本人の親にとって、このような「子どもたちが学校では受けることが 難しいお金の教育について」、日本語でお伺いする機会を頂きましたこと、心より感謝申し上げます! 

 

お忙しい中ご参加くださった皆さまも、ありがとうございました! 

 

Thursday, April 8, 2021

コロナ禍の子どものストレス 〜いま私たちにできること〜

 3月のぽーと会は、初めてのWebinar形式で「コロナ禍の子どものストレス 〜いま私たちにできること〜」を開催しました。 
 
スピーカーには長沼仁美さん(心理学博士・公衆衛生学修士・*JPSグループ共同代表)を、ファシリテーターに渡邊理佐子さん(教育学修士・行政学修士・*JPSグループ共同代表)という2人のゲストをお迎えしました。 
 
新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、わたし達は昨年の春ごろから長い自粛生活を送ってきました。このことにより、大人だけでなく子どもたちや若年層にも少なからぬストレスが溜まっていると言われています。 
 
そんな背景を踏まえ、パート1「子どもたちはどんなストレスを抱えている?」では、パンデミック後の最新研究動向から「若年層の孤独感」「子どものうつ症状」「保護者のうつ症状」「女性の自殺率」について、信頼できる情報源のデータをご紹介くださいました。 
 
パート2「いま私たちにできること 〜大人のストレスケア〜」では、大人もストレスを抱える中、子どもが抱えているストレスに気づきにくくなっている可能性があり、「まずは大人が自分のケアをすることの大切さ・セルフケアの方法」「ストレスの捉え方を変えること」など、貴重なアドバイスをいただきました。 
 
パート3「いま私たちにできること 〜子どものストレスケア〜」のコーナーでは、「子どもはどんな形でSOSを出すものなのか」「子どものストレスに気づいたら親として何ができるのか」を教えていただきました。子どもの成長に応じたケアが必要というお話の中では、「気持ちを尊重すること」「話の聞き方・話し方を工夫することで親子のコミュニケーションが取りやすくなる」等もあり、親として今すぐにでも心がけられることが色々とあることに気づかされました。 
 
また、このセミナーが開催されたのは、アメリカではちょうど公立学校でも対面授業が少しづつ再開される時期でしたので、登校を目前に控えて「準備すること・心がけておくこと・子どもと話すこと」などを心に留めることができ、とても有り難いタイミングでした。 
 
QAコーナーでは、お子さんの悩みや対処法に関する多くの質問が寄せられました。お子さんの年齢や個性、各ご家庭の状況など様々な目に見えないバックグラウンドがあるため「正解はコレです」とは一概に言えないご質問が多い中、長沼さんが私たちに最も伝えたかったことは、「お子さんとの信頼関係を築くことの大切さ」と「信じ続ける心がお子さんに伝わる」ということでした。 
 
私たちは兎角「どうすれば状況が良くなるか」という方法論を考えがちで、勿論それは非常に重要なことでもありますが、長沼さんがおっしゃる「子どもを信じる」「信じる心が子どもに伝わる」「親子の信頼関係が築かれる」という、子育てで「最も」と言っても過言ではない大切なことを胸に刻みました。 



・・・皆さんがアンケート等を通じてシェアしてくださったご感想の一部をご紹介します。「親子のあり方や子どもとの接し方の大切さを改めて知り、とてもタイムリーで有意義な会でした」「スライドの内容が充実していて1つ1つとても勉強になりました!」「やはり”I“ステートメントで話すようにしようと思います。先輩お母さん方の経験談は本当に参考になります」「ストレスはいけないと思い込んでいたけれど、科学的にも前向きな作用もあると知って発想の転換になりました」「無料で相談できる専門家のリストをご紹介いただき、安心感を覚えました」・・・など。 
 
・・・スピーカーの長沼さんも、ファシリテーターの渡邊さんも、二人のお嬢さんの子育てをされながら働いておられるワーキング・ママです。お忙しい時間を縫ってのセミナー準備がどれほど大変なことであったか、容易に想像ができます。 
 
心理学・公衆衛生学の専門家であり、**With-Kids等での電話相談にも情熱を注いでこられた長沼さんならではの信頼できる情報のご提供と、様々なアイデア・発想の転換をいただきました。また渡邊さんの温かいファシリテートのお陰で会をスムーズに行うことができました。お二人に心から感謝申し上げます! 
 
参加してくださった皆さん、ウェビナーでご質問やコメントを寄せてくださった皆さん、ご感想をお寄せくださった皆さんも、本当に有り難うございました。 
 
 
*JPSJapanese Parenting Support)グループ: https://jpsgrp100.wixsite.com/home 
COVID-19の影響で外出禁止令が出された2020年3月設立。いかに心身の健康を保ちつつ楽しく日常を過ごせるか、日本人・日系人の子育てに役立つ情報を集めて発信するのが目的。 
 
**With Kids /海外に住む子ども達の心の健康をサポートする臨床心理士の会https://www.withkids-kaigai.com/