講師には千葉大学国際高等研究基幹(IAAR)とLa Jolla Institute of Immunologyに所属する医師で研究者の小野寺淳先生*をお迎えしました。
小野寺先生にセミナーでお話しして頂けることが決まった時、先生は「僕が中高生の時に聞きたかった話をしたい」「中高生の皆さんの視野や将来の可能性が広がり、Motivationが上がるきっかけの一つになれたら嬉しい」と仰ってくださっていました。
そのお言葉通り、研究者というお仕事の全体像や、先生の研究者としての「想い」の部分が私たちに大いに伝わる、とてもInspiringなセミナーとなりました。
内容は大別すると、
1)研究者の1週間のスケジュール
2)なぜ研究者の仕事を選んだのか
3)研究者になるためのキャリアパス(大学、大学院等)
4)エッセイや歴史など「研究と関係なさそうなこと」を学校で勉強する必要はある?
5)なぜ医学研究に意味があるのか(役立つ研究 vs. 役立たない研究)
また、2020年にスタートしたUniversity of California San Diego校と千葉大学の両方から同時に修士号や博士号が取得できる、「大学院Double-Degreeプログラム」についても解説して頂きました。
感銘を受けるお話や興味深いお話を沢山お伺いした中でも、強く心に残る言葉がありました。「好きなことを一生懸命やる。イヤなこと嫌いなことの中にも何らかのヒントが潜んでいる」「研究職は1人でコツコツやるだけではなくチームワークの仕事でもあり、人とのコミュニケーションがとても大切」「回り道をしても大丈夫」「“Number One”でなく“Only One”を目指せ」「“解く”ではなく“問う”を大切に」「苦手を直すのではなく得意を伸ばせ」「迷ったら面白い方を選ぶ」などなど。
参加者の方々からもご感想が寄せられました。「小野寺先生のお人柄が伝わってきて、本当に研究職が楽しいんだなぁという印象を受けました」「アメリカの研究では年功序列も少なく、フレキシブルに専門的なことを極めていける環境が整っているんだなぁと思いました」「熱意ある研究者の人生を垣間見る貴重な機会で、子どもたちにも響いていました。素晴らしいイベントでした!」。
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・・・ところで、ぽーと会主催のお仕事セミナーは、中高生たちに「いま自分が卓上で学んでいることの向こうに、どんな世界が広がっているのか」を実感してもらうキッカケとなったり、日本語と英語を使って仕事で活躍する先輩や大人の姿を見てもらうことで自分の将来像へのヒントになったりすることを願って開催しています。
小野寺先生のお話を聞けた子供達の中から、サイエンスの面白さに目覚め、将来の仕事に研究者という選択肢を加えるお子さん達が出てくるかもしれません。知らなかった世界への扉が開いたお子さんたち、親御さんたちが、とても多かったと思います。
・・・お忙しい毎日のスケジュールの中で、沢山のスライドをご用意くださり、パッションのこもったお話をしてくださった小野寺先生に十分な感謝の言葉が見つかりませんが、月並みながら、私たちの為にご尽力くださいましたこと、心から感謝申し上げます。
参加してくださった皆さま、ご質問をお寄せくださった皆さまも、本当にありがとうございました!
*【小野寺淳先生 略歴】2002 年東京大学工学部、2006年千葉大学医学部学士編入学MD-PhDコース)をそれぞれ卒業し、2010 年には千葉大学大学院医学薬学府博士課程を修了。その後、千葉大学G-COE特任助教、千葉大学医学研究院 助教を経て、現在は同大学の国際高等研究基幹・医学研究院 准教授と、San DiegoにあるLa Jolla Institute of Immunology(LJI) 博士研究員を兼任。
Written by C