Tuesday, August 25, 2020

「世界の平和はあなたから」〜ハートでリスニング(心聴)のすすめ〜

8月のZOOMぽーと会は、アメリカ時間の814日(金)、日本時間では815日(土)に、心が震えるお話を伺いました。

第二次世界大戦の終戦から75年目にあたり、鶴亀彰さんをお迎えして「世界の平和はあなたから」〜ハートでリスニング(心聴)のすすめ〜と題した、とても稀有な講演会を行うことが出来ました。

鶴亀さんのお父様は第二次世界大戦時、日本の潜水艦(伊号166)の機関長さんで、鶴亀さんが三歳の時に戦死されました。 

2003年のあるとき、ある日本の元海軍将校の肩との出会いをきっかけに、鶴亀さんはご自分のお父様のことをもっと知りたいという思いに駆られ、奥様と共にお父様をたどる旅に出られました。

その旅を続ける中で、ご自分のお父様たちがボルネオ沖で沈めたオランダの潜水艦乗組員の家族や、お父様たちをマラッカ海峡で沈めたイギリスの潜水艦の艦長さんと、奇跡の出会いを遂げられます。

そして、お互いの中にある深い悲しみを分かち合い、心を通わせ、真の友情を築いてこられました。その奇跡とも言える交流は、戦死された方々のお孫さんの代にまでも及びます。

2007年に刊行された初のご著書
実は鶴亀さんが ぽーと会でお話をしてくださったのは今回が二度目で、前回の2013年は10年間に及ぶお父様をたどる旅を奥様と終えられた直後でした。

それから7年の間、鶴亀さんは更に、世界の各地で戦争がもたらした悲しみ、痛み、恨みを抱く人々と出逢い、その方達との対話を通して、固く閉ざされた心を溶かし、積年の傷を癒すという経験を重ねてこられました。

鶴亀さんはハタと、何故そのようなことが可能だったのか?と自問します。そして一つの答えに辿り着きます。それが「心聴(ハートでリスニング)」です。
ベトナムの禅僧ティック・ナット・ハーンのディープリスニングを元に鶴亀さんご自身が導き出された心聴です。

決して遮ることなく、最後まで話を聴く。こちらが心を開いて一生懸命に聴く。
相手に心ゆくまで語らせてあげる「覚悟を決めて」聴く。

そんな心聴がもたらす奇跡の数々を、私たちは、鶴亀さんが話を聴いた人々の劇的な変化を通して、追体験させて頂きました。

・・・参加された方々から寄せられた感想文の一部を、ご紹介させて頂きます。

・鶴亀さんのお話を聞いて僕は、人間の分かち合う大切さを思った。両側から相手への思いやりや関心を持たずに生じる争いや憎しみがあるから、「ああ、あっちもこっちと状況があまり違わないじゃないか」という考えが大切だと思う。鶴亀さんのお話を聞けてありがたかった。(新9年生)

・起こってしまった歴史を変えることはできないが、私達は未来を変えることができるのだと強く感じた。また「心聴」の大切さも理解できた。身近なところから実践していけたらと思っている。(南カリフォルニア在住)

・これまで私が聴いてきた戦争の体験談とはまた異なり、さらに未来への希望にあふれるものだという気がいたします。 これからの時代に、ますます必要とされるのではないでしょうか。(北カリフォルニア在住)

・鶴亀さんのされていることは愛とゆるしが原動力になっている。今かつての敵同士の子孫が仲良く交流しているのを見て、亡くなった方々がどんなに喜んでいることだろう。また鶴亀さんの行なっていることやお話は、私を含めた特に戦争を知らない世代にとって心に響いてくることは間違いない。(日本在住)

・相手の存在に対して心から尊重し感謝する気持ちを持ち続け、自分の心の中が「平和」であれば、それは必ず関わる人や周りの人たちに波動として伝わって、世界の平和へ繋がっていくというお話、大変共感しました。南カリフォルニア在住)

・第二次世界大戦中 敵同士だった立場の違う方々と距離を縮め、理解し合い、彼らの考えすらも変えられたことに感銘を受けた。鶴亀さんが日々実践しておられる「心聴」があってこそ築かれた関係性なのだなと感じた。私も早速「心聴」を実践し、家族や友人、同僚など周りの人々の話に耳を傾けたいと思う。そうすれば鶴亀さんのように出会いの輪も広がり、平和な社会へと繋がっていくかなと楽しみだ。(アメリカ東部在住)

・かつては「私一人がどんなに頑張っても叫んでも、国を変えることはできない」と思って自分の無力さを嘆き、責め、やがて諦めていた。でも今は違う。自分自身の声も、家族や友人、周りの人の話にもじっくり心と耳を傾け、幸せを足元から拡げていくこと、これを飛び越えた先の大きな使命や幸せは無いと思う自分がいる。鶴亀さんと奥様の生き様を見せて頂いたことで、これからまた自分に出来ることを喜んでやって行きたい。南カリフォルニア在住)

2009年に刊行されたご著書第2弾



・・・第二次世界大戦の直接体験を伺う機会が減りつつある75年目の今年、そしてパンデミックや人種の問題も大きく浮き彫りになっている今日、「一人一人の人間」としての視座から、未来に向けて出来ることを考えるきっかけを私たちにくださった鶴亀さんに、一同より心から感謝申し上げます。

これからも益々お元気に、この素晴らしい奇跡のお話が、一人でも多くの方々に届きますように。

参加してくださった皆さまも、本当にありがとうございました!

*鶴亀彰さんウェブサイト:http://www.tsurukame-book.net/ 
*ご出演のビデオ:https://vimeo.com/92734866 かつては敵味方だった鶴亀さんのお父様、イギリス艦の元艦長、オランダ艦の乗組員、その各々のお子さんやお孫さんが集まって交流する姿が観られます。(注:冒頭から15秒まで、小さいお子さんには少し衝撃の強い潜水艦内の様子があります)