Tuesday, May 19, 2020

免疫とウイルス 〜私たちの体の中で起きていること〜

ZOOMに移行してから三度目となる ぽーと会セミナーは、5月9日(土)、現在La Jolla Institute for Immunology(LJI)で研究されている、千葉大学グローバルプロミネント基幹 准教授の小野寺淳先生をお迎えしました。


小野寺先生から、今の時期に非常にタイムリーな、免疫とウイルス」について学ぶ機会を頂きました。

免疫学がご専門の小野寺先生は、「ともすると専門的で難しそうな内容」を、小学校高学年ぐらいから大人まで幅広い層の方に理解していただけるようにと、工夫に工夫を凝らして分かりやすく解説してくださいました。

(概略)
・免疫ってなに? 〜2回目は早くなおるしくみ〜
・免疫のユニークなキャラクターたちとチームワーク
・免疫とコロナウイルス
・免疫力を高めるには?
・免疫が関係するさまざまな病気 
・免疫研究に関わった偉人たち(日本人)


食細胞(マクロファージ、好中球、樹状細胞)、リンパ球(T細胞、B細胞)、サイトカインなど、体の中に存在するこれらの細胞や物質は、それぞれが役割を持って複雑に絡み合い、免疫機能を発揮しているとのこと。

小野寺先生が「一見すると複雑そうな免疫系は登場人物たちが皆ユニークで、まるで人間社会を見ているよう」とおっしゃる通り、ふんだんな絵や例え話を使って学ぶ免疫の仕組みは、まるでヒーロー戦隊が協力し合いながら戦っているのを見るような面白さがありました。

この日、先生の解説と皆さんからの質問を含めて、 新型コロナウイルスの「感染経路」「箱や物についたウイルスについての考え方・対処法」「PCR検査や抗体検査について」「薬物治療の方向性」「BCGと国別感染率の関係」や、免疫システムについて「ストレスとコルチゾールレベル、免疫力の関係」「高齢者の免疫が下がる理由」「糖質と免疫力」「腸と免疫」「動物と人の間の感染」などについても学びました。

イメージ写真


また、「多くの人々を悩ませるアレルギー、日米双方で死亡原因の上位を占める心疾患、がん、脳卒中」これら全てに免疫系が関係していること、「そもそもウイルスは生物の条件を備えておらず、生物と無生物のあいだ」「人のDNAの3-4割はウイルス由来であること」などなど、興味深いお話を伺いました。

・・・セミナー後は、若い人では小学生、年配の人では70代の方まで、皆さんに「分かりやすかった」「とても勉強になった」と仰って頂けた会となりました。

新しい興味と好奇心の扉が開いたお子さんもいらっしゃったようです。

これもひとえに、クイズや楽しい絵なども取り入れて、私たちが理解することを最優先に講義してくださった小野寺先生のお陰です。先生の熱意に心から感謝申し上げます。

参加してくださった皆さん、質問を投げかけてくださった大勢の方々も、本当にありがとうございました。

引き続き、食事、睡眠、ストレスなどに留意して免疫細胞の働きを強めながら、皆さま、どうぞご自愛ください。
        







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