Sunday, October 25, 2015

長い子育てを振り返って いま思うこと

10月のぽーと会は、久しぶりの「お母さんシリーズ」でした。

スピーカーには、社会人から大学生まで4人のお子さんの子育てをしてこられ、この秋に一番下のお子さんが巣立ったばかりの「大先輩お母さん」Sさんをお迎えしました。

「アメリカでの長い子育て期間を振り返って、いま思うこと」「お母さんとして、子供に接するとき気をつけてきたこと」「それぞれの子供の個性に寄り添う -アクティビティのこと、進路のこと-」を軸にお話を伺いました。

30年のあいだ子育てをして来られたSさんのお話は、お母さんの智恵や愛情がいっぱい詰まった、とても温かいものでした。

この日のSさんの金言の中から、いくつかご紹介します。
「褒めるときは、手を止めて褒める」
「叱っているとき、嫌な気持ちにさせようとか、困らせようとして言っているのではなく、上手く行く様にという思いで一生懸命であることを必ず伝える」
「子供が自分で納得して決めるのを見守る」
「一見つらいことも、実はその後すばらしい出会いにつながっている ⇒Everything Happens For a Reason
「子供は親の所有物ではない。親の作品(親の鏡)」

また、Sさんが4人のお子さんに別々に「お母さんにしてもらって嬉しかったこと」をインタビュ-したところ、まったく同じ答えが4人から返って来たそうです。
「どんなに怒ったりした翌朝も、何事もなかったように明るく「おはよう」って起してくれたこと。素直になれるきっかけを、お母さんが作ってくれた」「あまり根掘り葉掘り聞かずに、自分達を信頼して適度にそっとしておいてくれたこと」

参加してくださった皆さんからは「“子供のことを喜ぶ”というのが心に響いた」「“情熱が怒りに変わってはいけません”という言葉を聞いて、分かる~と思った」「さっそく子供達との接し方に気をつけるよう心がけています」「先輩お母さん達と交わる機会を有り難うございました」「自分と向き合う時間になりました」という言葉を頂きました。

「長い子育てを振り返って、いま思うこと」は、ひとことで言うと「ありがとう、楽しかった」だというSさん。
 「大変。どうしよう」と思うことはあったけれど「苦」や「嫌なこと」は一つもなかった、沢山の人に助けられ、子供のお陰で自分が育つことができた、「感謝のひとことです」という言葉を添えてくれました。

最後にSさんが紹介してださった素敵なビデオをご紹介します。
そして、このページに来てくださった皆さんに捧げます。

https://www.youtube.com/watch?v=CruCEG0Iuws


Written by Chako

Wednesday, September 30, 2015

そうだ、クリスタさんに聞こう!

9月のぽーと会は、山田クリスタさんhttp://thebridgecomm.com/aboutus_j.htmをお迎えしました。
クリスタさんは、通算10年日本で暮らしたのち2003年にサンディエゴに引っ越されて以来、沢山の日本人を助けて来られました。
ある時は英語の先生として、ある時は通訳・翻訳を通して、またある時はアメリカの家庭料理を教えるクラスにおいて、日本人コミュニティーをサポートして来られたクリスタさんへの信頼は厚く、かねがね是非ぽーと会でもお話を伺いたいと思っていました。
   「日本での体験-異文化の中でポジティブに暮らすには-」
東京に移り住んだ頃は「皆から外人だと思われている」という外人コンプレックスが常にあったそうです。その為にストレスをどんどん溜め、自分にいつもブレーキをかけてしまい、ついには自分から日本語で話しかけることが出来なくなってしまったとのこと。
日本からアメリカに来た私たちも、最初は多かれ少なかれ味わう気持ちが塞ぐ経験を、クリスタさんは日本で経験されたわけです。
しかしクリスタさんはある時、「このままでは私の日本での暮らしは、いつまでも悲しいものになってしまう」と気がつき、「私が変えられるのは自分だ、自分を変えよう!」と立ち上がります。
・「日本語は下手で当たり前」「失敗はOK」と自分を受入れる
・外見や話す言葉は違っても人間は人間、と思って相手を恐れない
Don’t take it personally.  何かが上手く行かないとき、「自分が外人だから」「言葉が下手だから」と何でも自分のせいにしない。 上手くいかない理由は本当はそれじゃないかもしれないから思い込まない。
・・・そう考えたらリラックスでき、自分のものの見方を変えられたとのこと。それにつれて自分の周りの人々の反応も変わり、挑戦していける勇気も出たということです。東京の様々な企業に自分の足でまわってビジネス英語のクラスを開催するなど、その後の活躍はめざましいものでした。
クリスタさんが話してくださったマインドセットの大切さは、アメリカで暮らす私たち日本人にもそのまま当てはまることではないでしょうか。 またアメリカと日本の二国間に限らず、慣れ親しんだ文化・言葉と違う所へ飛び込むときには、みんなに当てはまることかもしれません。
 ②   英語の発音ミニレッスン「こうすれば飛躍的に発音がよくなる」「通じる英語になる」
私たち日本人の発音がいかにカタカナやローマ字に影響されているかを改めて思い知らされ、会場一同ショックを隠せませんでした(笑)が、a,e,i,o,uの発音に気をつけながら話してみると、「なるほどネイティブはこう喋っているなぁ」という音に近づけました。他にもクリスタさんが身を持って体験した言語の上達方法を沢山シェアしてくださいました。
 ③ 「私達のアメリカ生活での英語や文化にまつわる疑問にクリスタさんが答えてくださる相談コーナー」
正直で温かいクリスタさんの空気に引き出されて色々な質問が飛び出しました。 誰にも聞けないアメリカ人の本音に迫る質問もありました。 
皆さんからは、「今は日本語で何も苦労しているようには見えないクリスタさんも昔はシャイだったなんて」「クリスタさんの経験談を聞いて、私もアメリカ生活を一歩踏み出してみようと思えた」という声や、「アメリカ生活が長くて英語の上手な先輩ママさんたちにも悩みがあるんだと知って励まされた」「元気、やる気をもらったセミナーでした」という言葉を頂きました。 日本から来られて間もない方達もいらっしゃり、「日本語の上に英語をやっている。凄いことをしているのだという誇りを持って!」とクリスタさんや会場の皆さんから励ましを受けておられました。
お忙しい中、ぽーと会のためにアットホームで素敵なひと時をくださったクリスタさんに心から感謝いたします!これからも、沢山の日本人を勇気付け、サポートし続けてくださいね。

参加してくださった皆さんも、それぞれに質問や感想をシェアしてくださり、本当にありがとうございました!

Written by Chako

Friday, July 17, 2015

お仕事シリーズ第2回 「起業という生き方」

6月のぽーと会は、「お仕事シリーズ第2回 - 起業という生き方」テーマに、ソーラーパネルビジネスを経営されるPhong Huynhさんをお招きして、自分の心に火をつけ、やりたい仕事を見つけ、自分の夢を実現するやり方を学びました。

Phong Huynhさんは8歳の時に、ご家族でアメリカに移住しました。当初はとても貧しく、言葉もわからず、周囲からいじめられるなど、苦労をしました。しかし、仲間同士助け合い、励ましあい、それぞれ自分の道を切り開くことができました。幼馴染たちは、現在、有名なシェフ、地方判事、学者となり成功を収めています。

Phongさんがまず最初に伝えてくださったことは、「アジア人は勤勉で頭も良く、素晴らしい民族である。」ということです。しかし、アメリカ社会では不当に扱われることも多いので、アジア人同士が団結して地位の向上を図らなければならないことも教えていただきました。

昭和の日本で育った親にとって、一番驚いたトピックは、子供たちのキャリアのことでした。親が子供に植え付けがちな「固い仕事」「成功を意味する」職業の代表的なもの「医者」「弁護士」「エンジニア」は、IT技術の向上、海外へのアウトソーシングにより、もはや高給やステイタスを約束されるものではなくなったそうです。

医者になるまで高い学費を払い、大きな犠牲を払ったとしても、以前のようなメリットが保障されているわけではないので、「人を健康にしてあげたい」「医学が大好き」という熱い思いからではなければ意味がなくなりました。

弁護士も、今ではネット上で数分の一の値段でサービスを提供しているので、高収入はあまり望めません。

今後の仕事選びは「親を喜ばせるために職業を選ぶ」のではなく、「子供自身が心からやりたいことを見つけ、そこで人とつながり、世の中をよきものに変えられる生き方」ができるようになるためのものという考え方をするべきだとPhongさんは教えてくださいました。

「ラットレース(馬鹿げた競争)から開放される必要性」も強調されています。高い学費を払い、ステイタスの高い職業に就き、それにふさわしい家、車を買い、贅沢な生活にふさわしい美しい伴侶を着飾らせ、子供に高い教育を施しと、エンドレスに莫大なお金を使い続け、その返済に、長時間仕事をし、といった悪循環を断ち切ると、生きることが楽になります。

子供たちに対して、「いつも自分自身を時代に合わせてアップデイトしつづける仕組み」を教えてくださいました。その1つの方法は読書です。Phongさんは、お奨めの本を10冊紹介されました。

アジア系アメリカ人として、仕事で成功し、コミュニティーで愛され、若い世代を育成しているPhongさんの生き様は大人の私たちから見ても、素敵でした。

私たち日本人の親は、右肩上がりの昭和の日本の価値観を引きづったままアメリカに移住し、マイノリティの子供を育ててきました。アメリカ社会では使い物にならない情報を元に子供たちに将来のプランを押し付けてきたことを反省しました。素晴らしいセミナーを本当にありがとうございました。

そして、夏休みにも関わらず出席してくださった皆様もありがとうございました。良い夏休みをお過ごしください。


Written by keiko

Sunday, May 31, 2015

川尻淳さん「ピアノ&トーク コンサート」

516日(土)、パブリック・ライブラリーに於いて、日本とアメリカの両国で活躍するピアニストの川尻淳さん(http://www.junkawajiri.com/jp/)をお迎えし、「ピアノ&トーク コンサート」を行いました。

素敵なピアノ演奏はもちろんのこと、曲や作曲家のバックグラウンドやエピソード、そしてご自身の思春期を振り返っての子育て応援トーク・・・と、三拍子揃った今までに例のない会が実現しました。

まずは「この曲との出会いがなければ今の自分はない」と淳さんが言い切るほどの運命の曲「Merry Christmas Mr.Lawrence-戦場のメリークリスマスより-」を披露してくださいました。 「一生をかけて情熱を注ぎたいことは何なのか」が見つからずに悶々と生きていたある日、二十歳の淳さんはこの曲を耳にして、「自分がやりたいことはこれだった!!」と雷に打たれたように目覚めます。 そこからは猛烈な勢いで毎日ピアノに打ち込み、二十四歳で音楽大学に合格。卒業後に渡米し、名門・インディアナ大学のジェイコブス音楽院を修了されました。 

この日の会では、ショパンのエチュード「革命」、ベートーベンのソナタ「悲愴」についても、ふんだんな歴史背景や作曲家の人生、人柄、こぼれ話を解説しながら弾いてくださいました。 クラシック音楽といえば、もしかしたら、何やら縁遠いように感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、関西弁の爆笑トークに溢れた淳さんが語る解説は、も~う楽しく興味深く、ショパンもベートーベンも、リストもムゾルグスキーも、現代を生きる私たちと同じ「生身の人間」なのだということが伝わってきました。 彼らも何百年前に苦悩したり歓喜したりしながら、確かにそこに生きていたんだ・・・という実感を伴って、淳さんの演奏の中に作曲家たちの息遣いが聞こえてくるようでした。 

この日は、子育て真っ最中のメンバーが多い私達ぽーと会のため、ピアニストである淳さんに、何と「ご自身の思春期時代を振り返って今思うことをお話してください」という贅沢な(無茶な?)リクエストもさせて頂きました。

「両親は、僕の音楽の才能を発見して、そこから僕が遠ざかり過ぎないように、家の中に常に音楽をさりげなく置いてくれていた」「子供が習いごとをやめたがった時、もし才能があると親が思ったら、やめてからも環境にずっとそれを保ち続けること」「習い事は集中力、継続力を養うための良い機会」「子供は反抗をしている時でも、心の片隅では‘これはいけない’‘親に悪いな’と必ず少しは思っている」「親子で言い争った時に、手紙をくれて真剣な気持ちを伝えてくれた‘おかん’、どんな時も見放さないで居てくれた‘おとん・おかん’」・・・などなど、淳さんが子供の立場に戻って語ってくれた「思春期の子供の気持ち」「おとん・おかんへの感謝」などの本音トークは、私達サンディエゴの親たちにとって、沢山のヒントになり、とても勇気付けられました。

「道に迷っているときでも、親に信じられていることを、僕自身が信じていた」という最後の言葉に、子育てでとても大切なことを教えて頂いた気がして胸が熱くなりました。

出席して下った皆さんからは、こんな声が寄せられました。「クラシックというと少し硬いイメージだったけど、見事にくつがえされました!」「淳さんの解説を聞いた後で曲を聞くと、まるで違うものに感じる」「美しい音色に泣いてしまった」「いま子供が思春期なので、話を聞いて救われた」「主人を連れてくればよかった」「今度は子供に聞かせたい」、はたまた「淳さんを育てたご両親、特にいつも本気で接してくれたという‘おかん’の話が聞きたい」などなど。

・・・淳さん、美しい演奏、笑いに包まれた解説、そして子育てトークまで織り込んだ素敵な会を、本当にありがとうございました。 これからも日本で、そしてアメリカで、クラシック音楽の楽しさを沢山の人に伝え続けてください。 誰もがクラシック音楽をもっともっと身近に楽しめるよう、これからも益々の活躍を続けていかれますよう応援しています!

出席してくださった沢山の皆さんも、心からありがとうございました!



Written by Chako

Wednesday, May 20, 2015

カレッジ・ファイナンス勉強会


4月のぽーと会は、カレッジ・ファイナンス勉強会を行いました。 講師は、パーソナル・ファイナンスのプロであるKさんご夫妻にお願いしました。

アメリカの学費は家族ごとに、あるいは大学によっても大幅に違ってくる可能性があるため、非常に複雑でなかなか完全に理解することが難しいという皆さんの声をよく耳にします。

けれどこの分野は、Kさんも、そしてお子さんが大学受験を終えたお母さん方も揃って仰るように、「知らないと損をする、知っていれば大学の選択肢の幅を広げることができる」という非常に重要な分野です。

そうした背景からか皆さんの関心度も高く、勉強会には下は小学校低学年から上は高校生のお子さんを持つお父さん、お母さんが大勢集まってくださいました。

この日、Kさんが解説してくださったお話の柱は下記の3点でした。
   アメリカの大学・種類・費用について
   ファイナンシャルエイドとは 
(ファイナンシャルエイドの種類、中身、より多くのファイナンシャルエイドを得るために今出来ること)
   大学の資金の準備方法

カレッジファイナンスを理解する上での、この三本柱に加え、パーソナルファインナンスの視点から「貯蓄に関する数字のマジック」「複利のこぼれ話」など、とても興味深い話もたくさん伺うことができました。

また、知っておくと便利な各種のウェブサイトも紹介してくださいました。 そして何より、お忙しいスケジュールの中で豊富なデータやグラフを沢山準備してくださり、私たちにビジュアル的にも分かりやすく解説してくださったKさんには、本当に感謝でした。


この日の勉強会のように、複雑なカレッジファイナンスについて、日本語で、分かりやすく尚且つ楽しく学んだり質問したりできる会は、私たちにとって本当に有り難い機会でした。

ぽーと会ではカレッジ・ファインナンスの勉強会を今後も行っていきたいと考えています。 Kさんも仰るように、後になって「知らなかった・・・」ということにならないように、これからも幅広い年齢層の方に聞いていただける機会を持てれば幸いです。


日曜の早朝から、息子さんも含めて家族総出で勉強会にご協力くださった講師のKさんご家族、そして集まってくださった沢山の皆さん、本当にありがとうございました!

Written by Chako

Saturday, April 4, 2015

被災地の大学生のお姉さん達との交流会


327日(金)のぽーと会は、San Diego Japanese Emergency Network(以下SDJEN*)とのコラボレーションにより、東日本大震災で家族を失った大学生のお姉さん、佐々木さんと村上さんをお招きして、子供たち対象の交流イベントを行いました。

お二人は、あしなが育英会*の多大な協力のもと、SDJENが主催する「震災遺児ホームステイ研修プログラム」に応募者の中から選ばれてサンディエゴへやって来ました。

交流会のプレゼンテーションでは、二人がそれぞれに被災したときの様子、時間が経ってから家族と再会できたときの様子、行方不明だった家族と遺体安置所で対面したときのこと、それから今日までどうやって生きてきたか、また、これからどんな風に生きていきたいか、ふるさとの復興の現況など、ご本人たちから伺わなければ、とうてい想像が及ばなかったお話を聞かせて頂きました

二人は、「時計の針を2011年の310日に戻したい」体験を経て、自分達には使命があるとキッパリ言います。 その使命とは「語り継ぐこと」です。 あの震災を風化させないために、日本全国、海外、そして、これから生まれてくる子供たちへ、防災意識を高めることの大切さや命の尊さを「伝えていくこと」が生き残った私たちにできること、と繰り返し話してくれました。

またお姉さん達の「確かにこの体験は出来ればしたくなかったことではあるけれど、震災が起きたことによって経験できたこともある、出逢えた人たちもいる」「沢山の人に助けられた」「あしなが育英会やみちのく未来基金のお陰で、大学に進学して勉強を続けることが出来た」という感謝の言葉に、私達がどれほど勇気付けられたか、とても言い尽くすことは出来ません。

そんな佐々木さん、村上さんから、避難訓練が日本ほど頻繁に行われていないアメリカで暮らす子供達のために、もし地震や津波に遭遇したら何をすれば良いかという具体策を教えて頂きました。
★地震が来たら「机の下に入るなどして頭を守る」「おかし(おさない、かけない、しゃべらない)を思い出す」「大きな地震がおさまったら、警報が出なくても自分から高台へ避難する」こと。 アメリカでもDon’t Push, Don’t Run, Don’t talkという言い方があるようですが、日本語で「おかし」を知っている子供はあまりいませんでした。 
★津波警報が出たら、「津波てんでんこ」という言葉を思い出して、とにかく高台に逃げること。 色々と気にかかることもあるだろうけれど、自分の命を自分で守るという意味で、なりふり構わず高台へ移動することを強調してくれました。 
★「家族の集合場所をあらかじめ決めておくこと」(43日の送別会での談話より)。 地震や津波の直後に家族と再会できなくても、そこへ向かうことを目標にしていれば再会が早まる。またいつまでも現れない場合、それが「もしや」というサインになる、とのことでした。

「お姉さん達と話そう!」のコーナーでは、今度はサンディエゴの子供たちから、佐々木さん、村上さんに思いを伝えました。
★震災のことをもう忘れて暮らしていた。今日は思い出した。自分はここでしっかり生きようと思った。
★地震を知って心配になった。人は、動物はどうなっちゃったんだろう?って。
★家族や友達と離れることが自分には想像できなかった。
★答えたくない質問があるかもしれないと思い、何を聞いたらいいかわからない。
★「被害は単なるではない、なんだ」というお姉さんの言葉に感動した。
★大地震はまた来ないと良いけれど、来るかもしれない。だから対策を知ることが大事だと思った。

下は7歳から上は大学生までと幅広い年齢層の子供たちでしたが、思いの詰まった言葉をありったけ絞り出して話してくれました。 お姉さんからは「大人と子供では、まったく違う視点で見ているんだなと思った」という感想も頂きました。

また、SDJEN主催の昨日の送別会で、お姉さん達は「サンディエゴで話を聞いてもらう経験が出来て本当に良かった」「またおいで 忘れないよ 応援しているよと言ってもらえたことが嬉しかった。これからの宝物、元気の源になる」と話してくれていました。

二人は本日のJAL直行便で、無事に帰国の途に着きました。
佐々木さん、村上さん、よくぞサンディエゴに来てくれましたね。そして話を聞かせてくれて本当にありがとう。これからも、仮設住宅問題をはじめとして二人に関わる大変な問題も色々あると思いますが、海の向こうのサンディエゴに被災地の人々を想う私たちが大勢いることを思い出して、どうぞ今のままの前向きさで進んでいってくださいね!

327日(金)のイベントに参加してくださった皆さま、共催のSDJENさん、そして多大なご厚情をくださった会場のSan Diego Japanese Christian Church*の皆々さまに、この場をお借りして心から御礼申し上げます。

Written by Chako


*あしなが育英会  http://www.ashinaga.org/
*みちのく未来基金 http://michinoku-mirai.org/
*San Diego Japanese Christian Church http://www.sdjcc.net/


Wednesday, February 25, 2015

美甘章子先生による平和セミナー

2月のぽーと会は、Japanese Family Support Center (JFSC)さんとの共催で平和セミナーを開催しました。スピーカーは、San Diego-WISH代表で『8時15分−ヒロシマで生きぬいて許す心』の著者でもあり、臨床心理ドクターでもある美甘章子先生でした。

「平和、愛、赦し」をキーワードに、原爆を生き抜いた父・進示さんの体験や日常の身近な例を交えながら、「グローバル社会、次世代の平和のために」「真の意味で赦すということ」「起きた出来事をOpportunityとして捉えて前向きな未来を創る」「価値観が違う人との対話や共存を通して、自分の周りから平和な社会を築く」ためにどのようにすればよいかを学びました。

進示さんは、至近距離で被爆し、重い火傷や原爆症で苦しみながらも生き抜き、戦後、家族を築き、社会人として成功され、コミュニティーのみなさんに尽くされ、90歳近い今も現役として活躍されています。

美甘先生が執筆されたRising from the Ashes(英語版)、「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」(日本語版)では、進示さんの生き様、言葉の数々がまとめられています。

美甘先生の著書、進示さんの生き方、考え方は、BBCのラジオ放送やウェブで大きく取り上げられ、欧米でも大きな反響を呼んでいます。昨年11月、英国のThe World Peace and Prosperity Foundation(世界の平和と繁栄を促進する財団)からAwards for Exceptional Service for Peace and Prosperity, Nationally and Internationally(2014年度世界平和と繁栄のための国内外の類稀な貢献に対する賞) を受賞されました。

今後、他の言語でも出版できるように依頼が次々に舞い込んでいるそうです。ハリウッドでの映画化も決定したそうです。

講演の中で美甘先生は、進示さんからのメッセージの数々を私たちに届けてくださいました。
● 恨みつらみに重点を置き、未来でなくて過去にしがみつくことのないように。
● 何かをなくしたときは、何かを得るときだ。
● 原爆を落としたのはアメリカだが、アメリカ人を憎むのは間違っている。悪いのは戦争だ。
● 物事の全体像を把握することが大切だ。
● 異なる背景や信条の人たちがお互いに理解と協力ができるように人の助けになりなさい。
● 二度と核戦争が起こらないで済むように、次世代の子供たちが二度と自分のような苦しみを味わわないように、社会と世界平和のために貢献しなさい。
● 人間は一見ネガティブな経験に対しても、「共感」と「赦す心」で対処するという選択肢がある。

美甘先生の願いは、この「赦す心」と「共感」を私たち全てが人生の中で応用することで、世界が平和になることだそうです。

参加者の中には、これからの世界を担う子供たちもいました。この子供たちが、平和のために自分で何ができるか、考え、実践してくれることを願っています。

これから、成長していく中で、辛いこと、苦しいこと、無念なことに直面することでしょう。でも、進示さんのどんな辛くとも生き抜いてきた姿を思い出して、希望を持って、いつも前に向かって歩んで欲しいと思います。

大人の私たちも、日々の生活の中で、身近な人々との関わり合いの中で、今回教えていただいたことを取り入れることができます。

美甘先生、お忙しい中、私たちにお話をしてくださり、本当にありがとうございました。これからも、世界中の人たちに平和のメッセージを届けてください。映画が完成するのを楽しみにしています。
お父様の進示さんにも、よろしくお伝えください。自分自身の言葉、経験、生き様を人に見せることで、多くの人たちを勇気づけ、人間のあるべき姿を教え、世界平和のメッセージを届けることのできる方は、稀有な存在です。どうか、いつまでも、お元気でいらっしゃいますように!

Written by Keiko

Thursday, January 29, 2015

アスリートのお母さんが知っておきたいこと

2015年のぽーと会新春第一弾は、テニスを中心としたアスリート関連セミナーでした。

スピーカーには、二人のお子さんが長年テニスを続けて来られ、ご自身もプレーヤーとして日々コートで活躍されているSさんをお迎えしました。 

折りしも錦織圭選手の世界的な活躍が注目されて、ますます人気が高まっているテニス。そして錦織選手を応援・解説するブログが人気の松岡修造さんを師と仰ぐSさん。

セミナーでは修造カラーのオレンジ色のシャツに身を包み、熱きアスリート魂を随所に覗かせながら、様々なお話を楽しく聞かせてくださいました。

伺ったお話は、下記のような内容でした。
 複雑なトーナメントの仕組み、自分に合ったトーナメントの選び方
 大学でプレーすることを見据えた高校選び
 カレッジ・テニスのリクルートの仕組み
 テニスで大学進学するメリット
 どのレベル・年齢でもチャレンジの機会があるアメリカ・テニス事情
 スポーツを通して得たもの(アスリートの母親のためのマネージメント法:日々の食事や生活習慣、学業と両立するためのタイムマネージメントなど)

自分のランキングを把握したり、今後のための作戦を立てる便利な方法も教えていただきました。また、情報収集は自分でインターネットを使って行うだけでなく、先輩やお母さん仲間から頂く情報やアドバイスにも非常に助けられるので、どんどん自分から教えてもらいに行くことを薦めてくださいました。アメリカの進学や生活全般に関してもそうですが、スポーツも然り、やはりネットワークが大切なんですね。

あらかじめSさんが用意してくださった子育てセルフチェックを皆でやってみるコーナーもありました。このチェックリストは、母親が子育てで本当に重要なことは何かを見極め、最も重要と思うことだけに集中し、後のことは肩の力を抜いて子供と接しましょうという、Sさんが子育てを通して得たエッセンスでした。

また、長年テニスプレーヤーのお子さんを本気でサポートしてこられ、ご自身も日々挑戦を続けておられるSさんの、「身体的なことはお父さんから、メンタル的なことはお母さんから影響をうけやすい」「カレッジリクルートのコーチは、お母さんのメンタルを見ている」「子供のファンであれ」という言葉は、一同の心に響くメッセージでした。

参加してくださった皆さんは、お子さんがテニスを一生懸命されている方々、テニス以外のスポーツをしているけれどアスリートの母親としてのマネジメント法が聞きたかったという方、ママさんテニスを熱心にされている方々、大昔に買った靴やラケットを日本から持ってきていて「またやろうかな?と思って」と仰る方など様々でしたが、皆さん一様に「テニスやスポーツそのものだけでなく、子育てのヒントが沢山聞けてよかった」という感想をくださいました。

余談ですが、Sさんによると最近70歳のおばあちゃんがナショナルで準優勝したニュースがあったとのこと。「アメリカのテニス界では、どのレベルでも何歳でも必ず自分に合ったプレーの場がある」と解説してくださるSさんの言葉を象徴するようなニュースです。アメリカで暮らしていると「It’s never too late 」という言葉をよく耳にしますが、テニスの面でもまた、アメリカは幾つになってもチャレンジし続けることが出来る環境なのだということに感心しました。

最後になりました。 Sさんはアメリカの複雑なテニスの仕組みについて苦労しながら情報収集して得た知識や、十数年に及ぶ様々な経験を、後輩の方々に是非シェアしたいと仰って、今回のスピーカーに自ら名乗り出て下さいました。またSさんは、ぽーと会が2010年に発足した当時の立ち上げメンバーの一人でもあります。今回こうして「お世話になったぽーと会に恩返しがしたい」と言ってスピーカーに立候補してくださったことは、とても嬉しいことでした。Sさん、本当に有り難うございました。

また参加して下さった皆さんも、それぞれのご家庭でのスポーツの経験、感動、発見などをシェアしてくださり、お陰さまで楽しい会となりました。 心より有り難うございました。


Written by Chako